くらし情報『人間たちの“生”への希求を描き出す4篇の物語 『デカローグ』最終章が上演中』

人間たちの“生”への希求を描き出す4篇の物語 『デカローグ』最終章が上演中

人間たちの“生”への希求を描き出す4篇の物語 『デカローグ』最終章が上演中

デカローグ9ある孤独に関する物語(左から)伊達 暁、万里紗
外科医のロマン(伊達暁)は友人の医師から性的不能であると診断され、治療の見込みはない、若い妻のハンカ(万里紗)とは別れるべきだと諭される。ハンカはロマンに「セックスだけが愛じゃない」と別れる気がないことを伝えるが、実はハンカには既に大学生のマリウシュ(宮崎秋人)という若い愛人がいた……。

こちらのエピソードで際立つのが、生きることにもがき、苦しむ男たちの滑稽で情けない姿。伊達が演じるロマンは、妻の言葉に安堵しつつも疑心暗鬼で浮気を疑い、それでも直接彼女を問い詰めることもできず、彼女にかかってくる電話を盗聴し、浮気現場に張り込み耳をそばだて、嫉妬と悔しさにむせび泣く。一方、ハンカの浮気相手のマリウシュはキラキラした瞳で、ただひたすらにハンカを愛する、カワイイ大学生。フラれてもめげない一途な若者を宮崎秋人が好演! いずれの男も情けなく、かっこ悪く、そして愛おしい。そんな滑稽ささえも、人生の一部であり、生きていればこそ――『デカローグ8』とはまた違う形で人生讃歌、生きることのおかしみを教えてくれる作品となっている。万里紗も、嘘偽りなく理性でロマンを愛し、そして肉体でマリウシュを求める妻のハンカの孤独を見事に体現。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.