2024年5月23日 12:00
バレエ団、最年長ダンサー、ロバート・カーターとバレリーナ芸人松浦景子による、バレエと笑いをめぐる真剣対談!【後篇】
後編は、死にゆく白鳥の儚さを描いたミハイル・フォーキンの『瀕死の白鳥』、そのトロカデロ・ヴァージョンについて、お互いの18歳の頃についてなど、様々な話題が飛び出した。
人気のトロカデロ版『瀕死の白鳥』の秘密
── ボビーさんが動くと、その度にチュチュからひらひらと白鳥の羽根が落ちてきますが(笑)、これはどういう仕組みなのですか。
ボビーそれは企業秘密。でも──、今回は特別に教えちゃいます(笑)。通常のチュチュはチュールが何枚も重ねて縫われているのだけれど、これは1枚1枚が分かれていて、その間に羽根を挟めるようにしてあるんだ。それで、パ・ド・ブレで進んでいくと徐々に羽根が落ちる。踊った後は、床に散らばった羽根を集めてまたチュチュに仕込むんです。あ、僕が集めるわけではないけどね(笑)。
松浦こうして羽根が落ちていくイメージは、どなたがどんなふうに考えられたのか、めちゃくちゃ気になりますね。
ボビー『瀕死』は僕がカンパニーに入る前から上演されていたので、当初この作品を踊った人のアイデアだったのか、チュチュを作っていた人なのか、わからないんですよね。
── 松浦さん、『瀕死の白鳥』に挑戦されるご予定は?
松浦えっ、私?私が『瀕死』を!?いや、私がやったらヒヨコになってピヨピヨしちゃいそうです(笑)。