約180点に及ぶ世界有数のヴァロットン版画のコレクションを誇り、2014年に日本で初めてヴァロットンの回顧展を開催した同館ならではの企画だ。
ナビ派の画家としても知られるヴァロットンだが、彼が一世を風靡したのは当時の社会の暗部や群衆の姿を皮肉やユーモアたっぷりに描いた木版画だった。ボナールやドニなど同時代の画家たちが色鮮やかなリトグラフ(石版画)を手掛けたのに対し、ヴァロットンは黒一色の木版画にこだわり、卓越したデザインセンスで色鮮やかなパリの風景をモノクロームの世界に描き出していったのだ。
同展では、希少性の高い連作〈アンティミテ〉〈これが戦争だ!〉の揃いも含む同館のコレクションを一挙公開し、ヴァロットンの画業を展観。さらにナビ派の画家たちやロートレックの版画作品も合わせて展示することで、ヴァロットンの版画作品の独自性を浮かび上がらせていく。
『マリー・クワント展』Bunkamuraザ・ミュージアム
会期:2022年11月26日(土)~2023年1月29日(日)
※1月1日(日) は休館
《マリー・クワントと、ヘアスタイリングを担当していたヴィダル・サスーン》1964年 (C)