【『スリル・ミー』キャスト対談第2弾】 成河×福士誠治 ~“資本主義の病”を描く旅人ペア~
でもある時、「形式的に動くことで生まれる神話的なものが君たちの狂気性に繋がる」と言われて、「彼」という人間がスコンって腑に落ちてしまった。「彼」の心の動きを考えて一生懸命積み上げていたピラミッドが、そのひと言で一気に3段から5段になって土台がしっかりしちゃった気がして、なんか悔しかったです。
成河ああ分かる! リクリエイションを本気でしようと思ったら、決められた動きっていう“正解”は一番邪魔なもの。俳優は失敗をしながら深めたり積み上げたりしていくもので、そのプロセスが極めて重要なんですよ。でも栗山さんが持っているのは、とても強力な正解だから。それでも誠ちゃんとは、「今俺たちが思い付いたプランなんて正解と比べたらめちゃめちゃダサいかもしれないけど、それでも言ってこうぜ、傷ついてこうぜ!」ってやってましたけどね(笑)。
福士そう、1回プレゼンはするんです(笑)。でも説得されちゃう。
今回もきっとそうなるとは思いますけど、1ミリでもいいから“正解”の先に行きたいというのが意気込みです。
「私」と「彼」の愚かしい振る舞いが自分たちの教訓にならないといけない
成河僕が前回、一番説得力を感じた栗山さんの言葉は、「この作品は“資本主義の病”を描いている」