藤ヶ谷太輔と奈緒がW主演『傲慢と善良』──マッチングアプリで出会い、結婚寸前のカップルに起こったこと……【おとなの映画ガイド】
そこで出会ったのが真実〈まみ〉(奈緒)だった。真実は、どんなことにも口出しする郷里の両親から離れ、東京でひとり暮らしを始めたという英会話教室の事務員。控えめで気の利く女性だ。
よくこんな好条件の男性が残っていたなと思える架と、いかにも善良そうで人の気持ちをおもんぱかる真実。ふたりはたがいに好感をもち、条件も問題ないので、結婚を前提につきあい始めるのだが、架がいまひとつ煮え切らず、交際1年を過ぎても話が前に進まない。
架は、人生を絶対に失敗したくないと思っていて慎重なのか……、ぐずぐずしている。「それって、自己愛強くて傲慢じゃない? 」と言えなくもないが、彼自身は気づいていない。しかし、そんな架も、ついに決心してプロポーズ。
なのに、直後の夜、真実が失踪!
映画は、突然の事態に動転した架が、真実の行方を捜すミステリー仕立てとなり、彼女の過去をたどっていく展開。両親との関係、結婚している姉、親の勧めで何度か試した結婚相談所、そこで紹介された相手。いずれも架の考える“真実像”を変えるような証言はなかった。一方で、架の友人たちは、勝手な憶測を話す。混乱する架だが、真実への思いは逆に強くなっていく……。