2022年5月20日 07:00
市村正親「役者という生き方が心底好き」【『ミス・サイゴン』連続インタビュー第3弾】
劇団四季で一緒だった鹿賀丈史と夫婦役になり、再演を続けることができました。『モーツァルト!』のレオポルトあたりからお父さん役が来るようになって、『屋根の上のヴァイオリン弾き』のテヴィエの話が来た時は、森繁さんがやっていた役を僕に?とびっくりしたけど、髭をつけたらテヴィエそのもの(笑)。『スクルージ』に至っては完全におじいさん。全然違う役だけど、どれもいい役でね」
2022年はザザ、エンジニア、スクルージの3役に取り組んでいる。どのように切り替えるのか、不思議になるが。
「自然と役に入っていくんでしょうね。役の気持ちが分かっちゃう。四季にいた頃は変幻自在なアメーバみたいとか、蝉の抜け殻みたいと言われていました。
市村を真似ようと思うな、市村は役が変わるごとに脱皮して、違う動物になっているって(笑)。
ブロードウェイに行った時、『オペラ座の怪人』と『ミス・サイゴン』のポスターが並んでいたんですよ。それを見て、僕は両方やったなと嬉しくなりました。ファントムとエンジニア、そしてザザをひとりの俳優がやるなんてBWでは珍しい話。タイプがあまりにも違うからね。その意味で言うと、こんなにバリエーションに富んだ役をやれるのは日本ならでは。