2022年5月20日 07:00
市村正親「役者という生き方が心底好き」【『ミス・サイゴン』連続インタビュー第3弾】
日本人で良かったなぁって思いましたし、僕はこの商売、役者という生き方が心底好きだなぁって」
役を演じるのではなく、役を生きる
舞台上で演じるのではない、生きることが好きなのだと市村は断言する。
「『ミス・サイゴン』の《アメリカンドリーム》、あれだって歌というより、エンジニアの想いを吐露する感じだから。「インチキはうんざりだ♪」「無駄にゃしないこの才能♪」って、自分が今まで生きて来た人生、役の魂そのものの叫びなんです。どの役にもそれぞれの魂、生き方があって、それを自分の中で掘り下げて生きる。だから、演じることが好きなんじゃない。その役を生きることが好きなのね。役を生きるのは、お客様にも残るということ」
市村が30年間取り組んできた『ミス・サイゴン』。まさに彼の代表作のひとつだが、年齢を重ね、今回はまたひと味違うエンジニアを見せてくれそうだ。
「《アメリカンドリーム》だって、以前は自分がリードしてガッツリ踊っている俺を見て!という感じでしたが、今回は踊らされているエンジニアも面白いかもしれないなぁ。今の僕の年齢ならあり得るんじゃないかな。今、思いついたことだから、もちろん稽古次第なんだけど」