2021年8月10日 12:00
声優・千本木彩花×花守ゆみり「お芝居が楽しいと思える瞬間をずっと探している」
たぶんそれが表に出ることはないし、考えて気持ちが落ちてしまうことはないと思います。ただ、感受性が豊かなのでいろんな気持ちを受け取って、その気持ちをどうしていったらいいんだろうと無意識に考えているキャラクターなんじゃないかな。
花守たしかに、さらさって迷いがないように見えて、挫折した過去が土台になって夢を目指しているところもあるもんね。千本木そうそう。生い立ちも少し複雑ではあるので、そういう意味でどこかで「人と自分は少し違うのだろうな」と思いながら生きてきた子だとも思っていて。特にさらさ視点で台本を読んでみると、表面には見えない深さがあるなと感じましたね。
――さらさは「歌劇」の中でトップスター(男役)を目指しています。作中には男役を演じるシーンもありましたが、「女性の男役」を演じる上で千本木さんが意識したことを教えてください。
千本木「男役だから」とあまり意識はしなかったですね。というのも、さらさは生い立ち的に歌舞伎とゆかりがあって、お芝居でコピー(人の真似)をするのがとても得意なんです。例えば、作中で演じた『ロミオとジュリエット』のティボルトは、男役トップスターである里美 星(さとみ・せい)