宮沢氷魚の自己肯定論「人との違いが自分のひとつの武器になった」
映画の中でも、残酷な世界が続いていく。
「どんなに頑張っても、100%報われるとは限らない。でも、幸せになりたい、報われたいという思いがあるから、そんな残酷な世界でも最後までみんな生きようとあがく。この映画で描かれている現実は、僕たちが知らない裏の世界の話ですけど、本当にこういうことが起こっているかもしれないし、これに似たようなことはきっとあるんだろうなと思います」
そして、そんな残酷な物語の中にも希望はあると宮沢は想いを込める。
「矢野が最後にどうなったかはわからない。でも、僕はあのシーンを演じながら、1人でもいい、どうか誰か幸せになってほしい、報われてほしいと思っていました。それって希望じゃないですか。この映画がどういう物語かなんて観る人が決めることであって、僕たちが判断することじゃないですけど、僕はそういう物語だと思っています」
そして、宮沢は硝煙の匂い漂うこの残酷な現代にも、「きっと希望はある」と前を向く。
「たとえばウクライナがああいう状況下になったときに、救援物資を送ったり、避難民を自分たちの国に入国させてあげたり、世界中から救いの手が届いた。起きている現実は酷ですけど、大変な状況下に置かれたときこそ生まれる人の愛情があるのも確か。