2022年12月26日 12:00
原点に立ち返りつつ未来を見据える! 世代を牽引する旗手・阪田知樹が節目に贈る王道プログラム
そしてバッハ。バッハがリスト自身に影響を与えているのはもちろん、今回弾く《シャコンヌ》を編曲したブゾーニは、リストをたいへん尊敬していて、またリストとバッハの大家として知られたピアニストでもありました。
このように、リスト自体は弾かないのですが、過去と未来からそこに繋がって、ある種のテーマになっているのは、リストの作品をよく弾く私ならではかなと思います」
プログラムの最後に置いたショパンのピアノ・ソナタ第3番は、リストのソナタと並んで最も好きなピアノ作品だという。
「デビューCDでも録音した楽曲です。2015年のリリースでしたが、それ以来しばらく離れていたんです。でもまた今、自分の好きな曲にあらためて取り組みたいと、原点に戻るような気持ちで、演奏することに決めました。
ショパンのソナタ第3番は、色彩感を豊かに感じる作品です。いろいろな情景を見せてくれる。
それが非常に人間味あふれる感じなんですね。彼が大事にしていた、たとえばオペラ・アリアのような歌い口であったり、小品に見られるようなきらめくような響きだったり。いろいろな寄り道をしているようなところがあるのもたいへん魅力的です。