2024年3月11日 12:00
井浦新、東出昌大が快演!怪演?『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』映画に賭けた青春【おとなの映画ガイド】
当時の映画館といえば、1981年に新宿に「シネマスクエアとうきゅう」ができ、83年には六本木に「シネヴィヴァン六本木」、86年に渋谷の「シネマライズ」開館と、ミニシアターのブームがきていた。アジア映画にも注目が集まり、日本でも自主映画やピンク映画出身の新しい才能が出始め、活況を見せ始めていた。若松監督はそのブームをいち早く察知し、流れに乗ろうとしたのだろう。その頃の映画館をとりまく空気がうまくでていると感じた。
ノスタルジーかもしれないが、コンプライアンスとかパワハラとかに神経質ないま観ると、おおらかで、のんきな空気があった。
予備校生だった井上に若松監督がアドバイスをするシーンが印象的だ。
「そんなに映画監督になりたいなら、うちに来なさい(「来」にアクセント)。ただうちは給料はだせない(「せ」にアクセント)。
まず大学に入り、仕送りで暮らしなさい。映画の勉強をうちでしたら、4年で映画監督にしてあげる」。
おとながちょっぴりやんちゃだった。希望がほの見えた、そういう時代の、映画の青春!
文=坂口英明(ぴあ編集部)
(C)若松プロダクション
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