まるでスペインの輝く太陽。期待のピアニスト・ガルシア・ガルシアはユーモアも抜群
例えば、音楽がどのように組み立てられるか、音楽の解釈や意味とは何かなど、掘り下げていく。音楽を分かりやすく演奏するためには、多くの分析と構築が必要。そのすべてを一人で乗り越えるのは難しい。先生にとても感謝しています」
その後、渡米して、ニューヨークのマネス音楽院で研鑽を積んだ。
「ジェローム・ローズ先生に2年間学びました。彼は、世界における音楽の価値や音楽の世界をどのようにナビゲートするかといった難題に関する視点の持ち方について、助言をくれた」
先生が変わるごとにカルチャーショックを受けたり、新たな気付きを得たりして、着実にステップアップした。
「カルチャーショックだけでなく、その都度、新鮮な空気を吸い込めた。同じ課題でも、新しい視点をもたらすからね。
曲の“解釈”はとても客観的な作業で、“翻訳者”の仕事とほとんど離れてないんじゃないかな。僕のスタンスは、作品の素晴らしさを見いだして伝える“翻訳者”になること。楽譜や即興音楽の存在意義を、できるだけ明確に聴衆に届けることが仕事だと思ってるんだ。その探究のなかで、必然的に自分の個性も出てくる。それは僕がベートーヴェンやショパンなどの演奏で最終的に描き出したいこと。