くらし情報『翻訳家の松岡和子が語る『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』の魅力』

2023年10月17日 20:30

翻訳家の松岡和子が語る『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』の魅力

に当てはまるんです。当てはまりつつ、当てはまらないという面白い構造になっています。もちろん、同じ人との結婚が2度もあるというのもこの作品のみです。とこのように、まさに異例ずくめのお芝居になっています。

──なるほど。他にもポイントはありますか?

松岡ヘレナがバートラムと結婚するために、自らベッド・トリックを仕掛けていくというのもこの作品の面白さだと思います。『尺には尺を』では、公爵の発案で様々なベッド・トリックが行われましたが、この『終わりよければすべてよし』では当事者であるヘレナ自身が企んでいます。それは、ヘレナにとってマイナスポイントになるもののはずです。
そういう意味では、『尺には尺を』と同じようにヒロイン、ヒーローたちが人格者ではなく、やましいものを抱えているというのも面白いところです。すごく現代的な作品だと思います。

松岡和子さんのインタビューは、新国立劇場「ギャラリープロジェクト」の動画で全編公開中。シェイクスピアがなぜここまで人間を描けたのか、劇作家としての変化なども語られている。ぜひチェックしよう。

聞き手:三崎力(新国立劇場 制作部演劇)
文:嶋田真己

<公演情報>
新国立劇場 2023/2024シーズン 演劇
シェイクスピア、ダークコメディ交互上演
『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』

作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
演出:鵜山 仁
キャスト:
岡本健一浦井健治中嶋朋子ソニン
立川三貴吉村 直木下浩之那須佐代子勝部演之
小長谷勝彦下総源太朗藤木久美子川辺邦弘
亀田佳明永田江里内藤裕志須藤瑞己福士永大宮津侑生
2023年10月18日(水)

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