2024年1月22日 12:00
中村隼人×市川團子×中村米吉「僕らの若さをくっきりと出せたら」スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』へ意気込み
(撮影:杉映貴子)
「スーパー歌舞伎」という新しいジャンルを打ち立て、歌舞伎界に大きな影響を与えた『ヤマトタケル』。37年前、哲学者の梅原猛が書き下ろし、主演を勤める二世市川猿翁(当時三代目市川猿之助)が3S(スペクタクル、ストーリー、スピーディー)の要素をふんだんに取り入れて脚本・演出を手掛け、歌舞伎ファンの度肝を抜いた。この2月、新世代の歌舞伎俳優たちによるスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』が新橋演舞場にお目見えする。小碓命(オウスノミコト) 後にヤマトタケルと大碓命(オオウスノミコト)の二役をWキャストで勤めるのは中村隼人と市川團子、そして兄橘姫(エタチバナヒメ)と弟橘姫(オトタチバナヒメ)の二役を早替りで勤める中村米吉。この3人がそれぞれの役どころの魅力を語り合った。
英雄だけれど、ピュアで隙があるところが魅力
――小碓命後にヤマトタケル、兄橘姫と弟橘姫、それぞれどんな人物だと捉えていますか。
隼人伊吹山の場面で「人間は傲慢の病にかかる」というセリフがあるのですが、それがこの作品のキーになってくるのかなと。伊吹山に草薙の剣を持たずに行ってしまい足元をすくわれるんだよね。成功体験を重ねていくと自信はつくけれど傲慢にもなっていく。