2024年1月22日 12:00
中村隼人×市川團子×中村米吉「僕らの若さをくっきりと出せたら」スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』へ意気込み
特に僕が好きなのは熊襲との戦の場面だな。なにしろ豪華絢爛です。古典歌舞伎では舞台の奥行や上下の高さをあまり使わないけれど、新橋演舞場の舞台ではそれらを駆使した場面がどんどん出てくるから。
米吉やはり兄橘姫と弟橘姫を早替りで勤めるのは観ていただきたいポイントですね。初演以来使われてきた兄橘姫の衣裳があまりにもシンプル過ぎて、着るのが楽ちんだったことが衣裳さんたちも不思議だったそうなんですが、早替りすることが前提だったからなんだと今回わかりました。上に羽織ればすぐ兄橘姫から弟橘姫になれるように出来ているんです。
團子タケルの見得の種類ですね。すごく多いんです。
首の振り方も多種多様。その時の感情によって結構違うんですよ。熊襲のところはバーッタリではなくてタンタンッ速い感じだったり、山神との戦いでは大味だったり、燃え盛る炎のような雰囲気の見得だったり。
――それぞれのお役の魅力を語っていただきましたが、おしまいに役者としてお互いの「ここが好き」ポイントも教えてください。
米吉團子ちゃんはね、とにかくまっすぐで研究熱心で一生懸命な人。この純粋なひたむきさ、僕が失って久しいものだなと(笑)。