『ルイーズ・ブルジョワ展』森美術館で開催中 自身のトラウマ的体験を芸術へと昇華させた作家の葛藤の軌跡
森美術館(東京)2024年撮影:長谷川健太(C) The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York, 2024.
《トピアリーⅣ》1999年撮影:Christopher Burke(C) The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York
間の2つのコラムにも触れておきたい。コラム1「堕ちた女―初期の絵画と彫刻」では、アメリカでの最初の10年に制作した絵画や彫刻を紹介。コラム2「無意識の風景」では60年代の彫刻作品を中心に紹介している。この頃には樹脂・石膏・ラテックスなど柔らかい素材、水平性、有機的で抽象的な作風が特徴となる。同時代のミニマリズムに迎合せず、無意識や感情に形を与える隠れ家や巣のような造形も見られる。
キュレーターのひとり、矢作は「ブルジョワは苦しみから完全に解放され、過去のトラウマを完全に治癒できるとは信じていなかったようです。