『ルイーズ・ブルジョワ展』森美術館で開催中 自身のトラウマ的体験を芸術へと昇華させた作家の葛藤の軌跡
何度も繰り返し不安や恐怖など心の痛みに立ち戻りながら、自身の感情と記憶を芸術の域まで高めたのです」と語る。
思えばNHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』で、主人公の寅子が生涯を賭けた法の世界も「地獄」に喩えられていた。戦争や災害、パンデミックなど、さまざまな課題に直面する現代。身近な家庭問題と世界情勢のはざまで、そう易々と楽園は見つからない。ブルジョワでさえ「地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」と笑えるまでに70年もかかったのだ。その都度もがきながらも、なんとか生き抜く杖となったのがアートだった。勇気がふつふつと湧いてくる展覧会だ。
取材・文:白坂由里
<開催概要>
『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』
2024年9月25日(水)~2025年1月19日(日)、森美術館にて開催
※事前予約可(日時指定券)
公式サイト:
https://www.mori.art.museum/jp/
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