『CROSSING CARNIVAL'20』オンラインライブで感じた、今までにない“親近感” コロナ禍以降のエンタメの可能性
トレードマークでもあるAKAIのMPCとRolandのサンプラーを、あらかじめプログラミングされたトラックに載せてリズミカルに叩く。その華麗な指さばきをこちらも自宅のPCの前で、じっくりと観られるのはなんとも贅沢な時間だ。途中、熱のこもったパフォーマンスに汗ばんだのか、エアコンの温度を下げるためリモコンをかざす一幕もあって、その「おうち感」にもほっこりとさせられた。
続いて登場したのは、6人組バンドのTAM TAM。あらかじめ撮影されたと思しきメンバー各々の演奏を、ボタニカルなアートワークなどに配置するなど凝った絵作りで楽しませる。パフォーマンスの後半では、下北沢のライブハウス「CIRCUS」を愛するアーティストが参加したトリビュート・アルバム『Life is CIRCUS』のために、彼らが書き下ろした新曲「Quarantine Routine」をKuro(Vo)のソロ・パフォーマンスで披露。ヘヴィかつメロウなグルーヴに乗せて、彼女がこの自粛期間中に考えたという思いを歌い上げた。ステージとは違う、アーティストのリラックスした表情が観られるのも、オンライン・ライブの醍醐味の一つといえるだろう。