渡邊圭祐の変わらないもの「ポリシーはない。ただ、何事も楽しく生きていたい」
「たぶん、僕、『楽しい』の幅が広いんですよ。だれかと一緒に仕事をするときは『この人を認めさせたら面白いな』というマインドに切り替わる。いかに攻略するかを楽しめちゃうんです。おおむねそれで大丈夫ですね」
あっけらかんとした口ぶりには、見栄も強がりもまるで感じられない。ネガティブに支配されない楽観力を、彼は備えているのだ。
「それとこの仕事は締め切りが明確なところがいいのかもしれない。たとえば作品の撮影だったら、いつからクランクインでいつがクランクアップというのが決まっている。だから、どんなにキツいなと思ってもいずれ終わるし、だったらそこまで突っ走ってやろうという気持ちになれる。
これが、明確な期限がなかったり、そもそもその選択肢を自分でとれない環境にいる方は大変だと思うんですけど。そういう意味では僕は恵まれているなと思うし、この仕事にも合っているんだと思います」
だが、同じ環境にいても、渡邊のようにどんなことも「楽しい」と捉えられる人ばかりではない。そこにはやはり渡邊独自の何かが、きっとある。
「もしそういうものがあるとしたら、たぶん口にして言うことが大事なんだと思います。僕が今話したことも、言ってしまえば『言ってるだけ』みたいなところはあります。