2021年11月12日 07:00
草彅剛、再び挑む『アルトゥロ・ウイの興隆』で、さらに不気味に人々を熱狂させる
ウイとはまったく違う人物ですが、トップに立つ人間を演じてみて、ウイの捉え方に変化があったりしますか。
ないです。すみません(笑)。でも、馬に乗る練習をして体幹が鍛えられたことで体力がついたり、長いセリフを言ったり、慶喜をやったことでウイを演じるのに必要なものが高まったと思うので。いや本当に、このお芝居は体力が必要で、2年前であんなに疲れたのに、前より動く量が増えているし、2年分歳を取ったし、果たして大丈夫なのかって思っていたんです。でも、筋肉は裏切らない。ウイは裏切るけど筋肉は裏切らないので(笑)。
体力的なところが大丈夫だと思える分、ウイに深みが増すといいなとは思っていますね。
のし上がっていく男の哀愁みたいなものなのかわからないですけど、これからの稽古で何かがディープになっていけばいいなと思います。
――稽古場はどんな雰囲気ですか。
こんなおどろおどろしい話なのに、みんな楽しそうなんですよ。それぞれ自分の役を楽しんでいる。たぶん、オーサカ=モノレールさんの生の音楽が高揚感があるんでしょうね。ブレヒトの戯曲に、JB(ジェームス・ブラウン)の歌が重なって、いつの時代なのか訳のわからない世界になって、僕も急に「ゲロッパ!」