2021年11月12日 07:00
草彅剛、再び挑む『アルトゥロ・ウイの興隆』で、さらに不気味に人々を熱狂させる
実際、稽古をしていると、より鋭く、エッジのあるものになっている実感もあって。恐怖が増していて、底知れぬ雰囲気があるというか。それでいてブラックジョークが効いたユーモラスなところもあって。初演があったからこそまた次の高みにのぼれるんじゃないかという気がしています。
――その恐怖の大元が、草彅さんが演じられるシカゴのギャング団のボス、アルトゥロ・ウイです。ゆすりなどの手を使ってどんどん勢力を拡大し、人々が恐れる存在になる人物ですが、再び向き合ってみていかがですか。
どんどんどんどん人を裏切って、のし上がっていく。ここまで残虐な役はやったことはないんですけど、悪いヤツであるがゆえに演じるのは楽しいんですよね。
普段言えないこととか、発することができないエネルギーとか、そういうものを暴れるように出せるので。そして、汗をかくから新陳代謝が良くなる(笑)。
――心にはどんな影響がありますか。
心のほうも爽やかですよ(笑)。もちろん作品全体を見ると、大変なことになっていくな、残酷な世界だなとは思うんですけど、悪いヤツを演じているから気持ちが重くなるとか、そういうことは全然なくて。大きな声を出して、動いて、スポーツをしているような感覚なんですよね。