2021年12月18日 12:00
ヨーロッパ企画・上田誠「魔窟がそうであるように、演劇も足を運ぶことで観られるものがきっとある」
もちろんコメディで。
――魔窟を刑事が走り回るようなイメージでしょうか。
いえ、舞台上では九十九龍城の人たちが動いていて、それを見ながら刑事のふたりが天の声みたいに喋っている、というような構造です。だから監視している刑事ふたりは舞台上にはいないんですよ。舞台上でのやりとりを受けて、刑事が「その会話なくてよかっただろ!」みたいなツッコミとかコメントをしながら劇が進んでいく。そういうちょっと変わったつくりになっています。16年前にやった『Windows5000』(’05年/ヨーロッパ企画の第20回公演)のようなイメージですね。
ヨーロッパ企画第20回公演『Windows5000』より
――では、舞台上はどんなふうになるのですか?
舞台上には九十九龍城の建物をつくって、その魔窟のあちこちに登場人物がいて、それを順番に見ていくというような感じです。
平場ではなくて、建て込んだ装置の中でお芝居するんですよ。――九龍城のあのゴチャゴチャ感のある美術になるのですか?
そうです。それを目指しています。
――すごそうですね!
そう、だから稽古がしにくいんですよ(笑)、魔窟の舞台装置ありきの劇の構造になっているので。