2022年11月21日 19:00
King Gnuが見せた5年間の集大成、2日間で10万人が熱狂した初の東京ドーム公演オフィシャルレポート
と現実へ呼び戻される。そう、あの曲だ。
聴き手の心の目を開眼させてくれる「Slumberland」では、常田が拡声器片手にシャウト。ノイジーかつアバンギャルドなアレンジが、異様なほどに研ぎ澄まされたロック体験を刻みつける。歌詞における<Rock’n roller sing only ’bout love and life(訳:ロックンローラーは愛と人生しか歌えないんだ)>のフレーズが胸に響く。King Gnuというロックバンドのアイデンティティーの根幹だ。
勢喜遊(Photo:伊藤滉祐)
続く「どろん」では、ドープかつハードコアな展開へ。モニター映像も、グリッチ・エフェクトへとサウンドとともに変化していくからあらゆるシーンが見逃せない。
常田がアコギを手にとり、井口とともに「破裂」をプレイ。モノクロームな世界から色に溢れたドープな「Player X」では、サビで目の前の景色が開かれていく。新井によるシンセベースのうねりが勢喜のビートの鼓動とともに、ドーム空間へとダイナミックに響き渡る。
オーラスへの入り口は「Vinyl」だ。インディーズ時代のKing Gnuが注目を集めたきっかけとなった歌謡テイスト強めなナンバー。