2021年10月22日 12:00
稲葉友×大鶴佐助×泉澤祐希「観たらきっと何年も会ってない誰かを思い出す」
1人2役って大変だけど、3人で2役をつくるのってめちゃくちゃ脳みそが煮詰まるというか、贅沢だなって思う。泉澤ずっと<私>と<友>の2人だけの会話が続くんですけど、その会話がリアルというか。わざと会話を噛み合わなくさせるところとか、この会話、友達としたことあるぞみたいなのがいっぱいあるんですよ。1本まっすぐな線が伸びているところを、あえてそこから脱線させて。逸らした線上でまた会話を重ねていくことで、その線が何本にも枝分かれしていく。どうなるかはわからないですけど、それが最終的に1本の線になればいいのかなって。今はそんなイメージで考えています。
大鶴たぶん終わったときにこの話をハッピーととるかバッドととるかはお客さん次第。
そこはお客さんに任せるとして、僕たちはこの作品の持っている温度感をちゃんと届けられたらいいのかなと思います。
無意識に蓋をした記憶を、優しく開けてくれる作品
――この<私>と<友>のやりとりを通して、「ともだち」について何か想起されるものはありましたか。
大鶴僕にも幼稚園とか小学校のときにめちゃくちゃ仲が良くて、でも今は全然連絡をとっていない男友達がいて、そいつのことが浮かびました。