2024年1月8日 12:00
『カラオケ行こ!』──中学生に歌を教わる綾野剛のヤクザが醸し出す、不思議な魅力【おとなの映画ガイド】
という、聡実クンにとって恐怖極まりないシーンがケッサク。
オニイさんたちがカラオケで歌う曲のセレクションがいま風だ。映画の公式サイトには、そのソングリストが載っている。氣志團の「One Night Carnival」、米津玄師「Lemon」、King Gnu「白日」、高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」……。
聡実クンが、びくびくしながらも割とずけずけいうカラオケのアドバイスが見もので。「声がつづいてないので体力つけてください」とか。なるほどね、と思えるものばかりで、ためになります。ただ、歌っているのはあまりうまくない人たちばかりなんで、歌唱の参考にはなりませんけど。
キャストは、組長役の北村一輝以下、組員役は橋本じゅん、やべきょうすけ、吉永秀平、チャンス大城、RED RICEといった強面の面々。聡実の家族は、母が坂井真紀、父に宮崎吐夢。狂児の回想シーンで、ヒコロヒー、加藤雅也。合唱部の顧問代理役で芳根京子。個性的な顔ぶれが並ぶ。
肝心の狂児が歌うのはX JAPANの『紅』。情感たっぷりに歌うが、聡実クンにはあっさりと「終始裏声がキモチ悪い」といわれてしまうのだが、この歌、ちゃんと泣かせどころでいい感じで使われている。