『ほんとうのハウンド警部』山崎一×吉原光夫×鈴木浩介インタビュー
以前、『オーファンズ~孤児たち~』だったかな? 「アクションのある演出だ」みたいな声に対して「私がじゃなくて、作品がそうだから!」って言ってました(笑)。
――山崎さんは、稽古場に入ってから「この本をこう演出するのか!」といった驚きを感じることは?
山崎うーん、基本的にはないんですよね。ふたりが話した通りという感じで……。
吉原それは、絵梨ちゃんが完全に一さんを頼りにしてるところが大きいからだと思いますよ。作品の中でも(マグナスは)客観的に見ているような役でもあるし、絵梨ちゃんが稽古場で迷い犬のような目をして見るのはだいたい一さんですから(笑)。一さんと感覚、読み方が同じなんだと思います。だからないんじゃないかな?
山崎「わかる」という感じはありますね。
鈴木僕も同じですね。
突拍子もないこと、意外性みたいなものは必要ないと思ってらっしゃるような気がします。当たり前のことを積み重ねていくことを大切にしているというか。
山崎そうだね。逆に(不要なものを)“削いでる”という感じがするね。
ずっと同じ役者さんの稽古を見られるのは幸せなこと(鈴木)
山崎一
――先ほどから話が出ていますが、みなさんは昨年末の『23階の笑い』の公演からずっと一緒で、そのまま続けて本作の稽古に入られています。