ジャパニーズ・ミュージカルの傑作『生きる』本日開幕
、そしていわゆる“お役人気質”の上司役の山西惇は初演からの続投。そこに光男役として、日本ミュージカル界の未来を担う村井良大を加えた新生『生きる』カンパニーが、“ジャパニーズ・ミュージカル”のさらなる高みを目指す。
日本にはここ数年、空前のミュージカルブームが到来中だが、上演が多いのはやはり海外産の、西洋人または人間ではないキャラクターが多く登場する作品。そこにきて本作は、日本の老人といういかにも等身大の人物が主人公という点で一線を画し、また音楽も、最初から日本語で歌われることを前提に書かれているため日本人の心に響きやすい。“ミュージカル=自分とはかけ離れた登場人物が華やかに歌い踊るファンタジー”といったイメージにとらわれてブームを遠目に見ている、アンチ・ミュージカル層にこそ観てもらいたい作品だ。
ミュージカル『生きる』
作曲&編曲:ジェイソン・ハウランド
脚本&歌詞:高橋知伽江
演出:宮本亞門
10月9日(金)~10月28日(水)東京・日生劇場
11月13日(金)・14日(土)兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール
11月28日(土)~30日(月)愛知・御園座
他、 以下地方公演あり
文:町田麻子