入江悠監督が『AI崩壊』で描く令和時代の新たな逃亡劇
AIを題材にするなら、まさに花開こうとする今このタイミングしかないなという想いでした」
AI暴走の首謀者として指名手配されたのは、「のぞみ」の開発者である天才科学者・桐生(大沢たかお)。国民から英雄扱いされていたはずの桐生は、国家を揺るがすテロリストとして警察から追われる身に。面白いのが、ここで桐生を追跡するのもまたAIであること。最新のAI監視システムが、必死で身を隠す桐生を追いつめる。まさに令和時代の新しい逃亡劇だ。
「桐生が逃亡を図る中で、どんなものを見せられるかについては、人工知能学会に入会したり、専門家の方に取材したり、1年間、じっくり時間をかけて調べた上で脚本を書きました。映画の中ではいろんなテクノロジーが登場しますが、本気で権力が国民を監視しようと思ったら、どれもできちゃうそうなんですね。僕たちの生活はそんな恐ろしさと背中合わせにある。
そういった危機感を持った上で、来るべきAI社会に向けて『じゃあプライバシーについてどう思うか?』というような議論が広がればという想いを込めました」
破格のスケールとテクノロジーで実現したアクション超大作
桐生の逃亡劇は、一般道路を封鎖したり、巨大貨物船を貸し切ったり、破格のスケールで描かれた。