くらし情報『片岡仁左衛門と坂東玉三郎、初共演の『婦系図』ほか、時代物の名作から新作まで 歌舞伎座「錦秋十月大歌舞伎」開幕』

片岡仁左衛門と坂東玉三郎、初共演の『婦系図』ほか、時代物の名作から新作まで 歌舞伎座「錦秋十月大歌舞伎」開幕

と話している。幕開きの憔悴した俊寛の姿は、この孤島での暮らしぶりが窺え、観客を一気に物語世界に引き込む。島で出会った海女の千鳥(上村吉太朗)と成経が夫婦になるというので、皆でささやかな祝言を上げていると、そこへ水平線の彼方から船影が見えてくる。皆で揃って都に帰れると喜び合うが、その喜びも束の間、赦免船から瀬尾太郎兼康(中村又五郎)と丹左衛門尉基康(中村歌六)が出てくると、瀬尾が赦免状を読み上げる中に俊寛の名前がなく……。幸せの絶頂から一転、観客はハラハラドキドキしながら予期せぬ展開を見つめる。虚無感が漂うラスト、ただ鬼界ヶ島の海の波の音だけが聞こえる断崖絶壁での幕切れに、場内はいつのまにか絶海の一部となりながら静かに幕が引かれていった。

片岡仁左衛門と坂東玉三郎、初共演の『婦系図』ほか、時代物の名作から新作まで 歌舞伎座「錦秋十月大歌舞伎」開幕

昼の部『俊寛』左より)丹左衛門尉基康:中村歌六、丹波少将成経:中村萬太郎、海女千鳥:上村吉太朗、平判官康頼:中村吉之丞©松竹
続いては、『音菊曽我彩(おとにきくそがのいろどり)』。鎌倉時代に実際に起きた曽我兄弟の仇討ち物語は、江戸歌舞伎に置いて祝祭劇として数多くの作品が生み出された。
この度は、秋の季節に相応しい曽我物の舞踊劇として、古典の諸作品を踏まえて、幼少期の曽我十郎と五郎兄弟が仇である工藤祐経と対面する場面を新たに描く。

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