松田凌が作り上げる、美しさと強さを秘めた加州清光 「新選組隊士たちの志が根付いている」
では、加州清光についてどのように考えていらっしゃったんですか?
1から10まで緻密に役を作らせていただきました。例えば衣裳、ヘアメイク一つとっても、スタッフの皆さんと話し合い細かく決めたんですよ。爪紅も何種類も用意していただいて、その色をさらに混合させて作っていただいたり、ブーツのヒールも何ミリ単位まで細かく決めさせていただいたり。稽古では、加州清光という刀剣男士を演じるにあたっての所作から心情まで、自分なりにしっかりと作らせていただいて、公演期間中はつねに『刀剣乱舞』に触れているようにしました。3カ月間のロングラン公演でもありましたし、コロナ禍真っ最中だったこともあり、絶対に集中を切らしたくなくて、安直かもしれませんが、ホテルにいる間はずっと刀剣乱舞のTVアニメを見続けたり、自分の出演した公演のチェックをしたり、お借りした資料集を読んだりして、実生活の中にもその世界観を入れていました。一瞬の隙で綻びかねないという不安があったんですよ。なので、できるだけそうした可能性を削る作業を意識的にやっていました。
――加州清光は、主に愛されたいという思いから常に身綺麗にしているというかわいらしさと、沖田総司の刀剣であったことからくる戦闘での勇ましさの対極的な面を持ち合わせた刀剣男士です。