2024年2月26日 08:00
杉咲花&志尊淳の“孤独”との向き合い方「一人でいること=寂しさ」ではない
――貴瑚とアンさんが二人でいるシーンはどれも、切っても切れない絆を感じるシーンや、思わず身体に力が入ってしまうシーンなど、感情が動かされます。もっとも思い入れのあるシーンについて教えてください。
杉咲貴瑚が美晴やアンさんと出会って、最初に居酒屋でお酒を飲むシーンがあるのですが、以降、そこがいつものお店として溜まり場になっていきます。そんな空間でのシーンがとくに好きでした。
居酒屋って、店内の騒音や、酔っ払った人たちの騒ぎ声が聞こえてきたりしますよね。きっと貴瑚やアンさんにとっては、それがノイズではなかったんじゃないかなって。みんなに聞こえる「Hz(ヘルツ)」のなかに自分たちが存在していると感じられる時間が、かけがえのないものだったように思うんです。
(C)2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
志尊わかるなあ。居酒屋のシーンは、アンさんとしても僕自身としても、思いが繋がっていた部分があるんです。貴瑚も花ちゃん自身も、見ていてつらかった。どちらに対しても「早くいろいろなものから解かれて、楽になってほしい」と思っていました。
この気持ちはアンさんのものでもあり、僕のものでもある。