2024年2月26日 08:00
杉咲花&志尊淳の“孤独”との向き合い方「一人でいること=寂しさ」ではない
そんな姿を体現する主人公の姿に、これは現実社会でも起きている話だと感じ、ある種の好意を抱きました。
志尊原作からイメージするアンさんの容姿と、僕が今作で演じているアンさんのイメージは、きっと違うと思うんです。そんななかで僕は、原作に描かれているものを映像でも成立させることを意識していました。小説を実写化するからこその表現もあると思うので、しっかり原作をリスペクトしつつ、僕として表現できるアンさんを生きる。そこに重きを置きながら演じさせていただきました。
――それぞれの役柄とは、どう向き合われたのでしょうか?
杉咲貴瑚は、寝たきりになってしまった義理の父を介護するヤングケアラーの立場にいます。父母から虐待としか形容できない扱いを受け、傷を抱える彼女の心情を想像するために、資料を読んだり有識者の方の話を聞いたりして、知識を深めていくことからはじめました。ただ、撮影現場においては、前もって演技プランを用意していくものではないと考えていました。
志尊くん演じるアンさんや、小野花梨ちゃん演じる美晴など、相手と対面することで初めて生まれてくる感情を大事にしたかったんです。
志尊僕も、アンさんという一人の人間と向き合うことが重要だと考えていました。