吉田鋼太郎×柿澤勇人、ふたりの男が命懸けで騙し合う『スルース』は「泣ける芝居」
1回目はアンドリュー中心、2回目はマイロ中心みたいに、何回観ても面白い芝居になるような気がしてます。
吉田あ、そうだね! 結末を知った上で観るのもまた面白いと思います。
柿澤勇人は狂犬? それとも従順な子犬? もしくは・・・?
──改めて、吉田さんから見た役者・柿澤さんの印象は?
吉田カッキーは割とね、突然エンジンがかかるんですよ(笑)。えっ、今? ここで? みたいな。
柿澤……そうっすか?(笑)
吉田そうそう。今までの経験から来るものだと思うんだけども、自分から仕掛けるより、演出家のオーダーをきっちりこなそうとするところがあって。舞台上のカッキーを知ってる俺には、それが「もっと生き生きしてるはずなのに、今日は何だ、二日酔いか?」みたいに映るんだけども(笑)、そうこうしてるうちに突然エンジンがかかる。ま、よく分かんない人ですよ(笑)。
柿澤ははははは!
吉田自分の腑に落ちるまでは、アクセルを踏まないんでしょうね。俺は“狂犬柿澤”と思ってるんだけど、それはすべてのシーンが腑に落ちた本番で初めて現れるものであって、稽古の時は意外と大人しい、従順な子犬なんだなと(笑)。今は少しずつ、シーンによっては狂犬の片りんが見えてきてるところですね。