ふたりの俳優で登場人物は10人あまり！ あらゆる困難を笑いで軽やかに吹き飛ばすミュージカルの創作現場を訪ねた

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー‼」で知られる演出家・ウォーリー木下は自ら演技スペースを動き回りながら、ベストな流れをキャストとともにひとつずつ構築していしていく。リラックスムードな現場はアイデアを出しやすい雰囲気で、経験豊富な原田、太田からも様々な意見が出る。この日は太田の提案で、とあるシーンの「“凄い”映画スター」というセリフが、より雰囲気に即した「“ビッグな”映画スター」へと変更になった。原田は随所で、持ち前のコメディセンスを惜しげなく発揮！ こらえきれず、演出家が身をよじりながら笑う姿が何度も見られた。

タイプの異なる2チームでの公演というのがポイントのひとつだが、ハリウッドチームとの違いを感じさせる一幕も。本番の楽しみのためここでは伏せておくが、ポイントポイントでそれぞれの個性を活かした、充実の作品づくりが行われていることを記しておきたい。

実の兄弟のボブ・ウォルトン＆ジム・ウォルトン（オリジナルキャストでもある）が1940年代頃のハリウッドのパロディとして作り上げた本作は、今回が日本初上陸。小粋なムードと笑いとドタバタをめいっぱい凝縮した、観客にとっても“目が足りない”忙しさの舞台となりそうだ。