2017年7月3日 11:02
ダヴィンチ×ミケランジェロ、ふたりの天才が宿命の対決!
この機会にじっくりと間近で観察してみてください。
レオナルドの素描は左上から右下へと描かれた斜線が同一方向に重なり合い影を表現しているのに対して、ミケランジェロの素描では赤チョークを用いて斜線を交差させつつ同時に色の濃淡で立体感を表現しています。
描き方が素描作品全体にどのような印象をあたえているのか、そしてそれぞれの他作品との共通点は何か、想像しながら見てみれば興味深さもひとしおです。
二大巨匠を生み出したルネサンス期がここに
14世紀から16世紀にかけてイタリア・フィレンツェを中心に起こったルネサンス。「文芸復興」とも訳されるルネサンス期では、古代の自然主義を見直すことであるがままの自然を再現しようと、芸術分野でも科学分野でも先進的な研究がなされました。そんな時代が産み落とした二人の天才がレオナルドとミケランジェロのふたりです。
本展では素描以外にも油彩画(追随者による作品)や彫刻、さらには軍事工学や自然哲学が示された手稿まで幅広く展示。二人の作品を通じて多角的な視点でルネサンス期の文化に触れることができます。一見遥か昔の異国の出来事でも、今の私たちへのつながりを感じる、素敵な時間がここにありました。