【特集・沢村一樹さん】建築家・谷尻誠さんと語る、住まいと暮らしと仕事のこと(後編)
谷尻さんの会社の方々は、皆さん、それができるんですか?
谷尻さん:それができるようになる会社にしたいんです(笑)。
沢村さん:どうやったらできるようになります?
谷尻さん:僕が答えを出さないようにすることですね。
沢村さん:なるほど。
谷尻さん:どの仕事でも同じだと思いますが、結局、誰か上の人に聞けば答えが用意されているわけです。その答えを取りに来る人は、考えない人ですね。逆にデキる人は「僕はこう思いますが、どうですか?」と聞きに来る。そうすれば、その人が考えたことを軸にアドバイスができますよね。「どうしたらいいですか?」という質問は考えていない人の質問なんですよ。
沢村さん:そういった人がいる場合は、どうするんですか?
谷尻さん:無視します(笑)。だって、僕が返答する時間がもったいないですよね。
沢村さん:メールの場合は?
谷尻さん:返事すらしないです。スルーします。返事する価値がないですよね。
沢村さん:直接、来られたら?
谷尻さん:「考えてから、来て」って言います。
沢村さん:なるほど。
谷尻さん:“考える会社”にしたいんですよ。
やっぱり、人の答えを借りてばかりだと、自分の力にはならないですよね。