【特集・沢村一樹さん】建築家・谷尻誠さんと語る、住まいと暮らしと仕事のこと(後編)
沢村さん:少し話が変わりますが、最近、谷尻さんがやきもちを焼きたくなるような才能を持った建築家さんはいるんですか?
谷尻さん:ときどき、スポットではいますよ。僕を負かすような人材が出てこないと、ダメだと思います。
沢村さん:役者は結構いるんですよ、すごい才能の持ち主が。
谷尻さん:そういう人材がいると、背筋が伸びますよね。僕も敬意を払った上で、建築の諸先輩方の足元をすくっていきたいです(笑)。
(一同爆笑)
沢村さんが監督を経験して変わったこと
沢村さん:僕らの仕事は、作品に関わる者同士が“ライバル”というよりも、一つの作品をつくるチームメートなんですよ。
谷尻さん:なるほど。「自分で0からつくりたい」っていう気持ちにはなりませんか?“演じる”一つ手前の……例えば、脚本をつくりたいとか。
沢村さん:「ストーリーをつくるところから作品づくりに関わってみたい」という思いはあります。ただ、活字でストーリーをつくることに才能がないのがわかっているので、そのためのアイデア出しの方が好きですね。
谷尻さん:文章力より、構成力があるのかもしれませんね。構成を翻訳してくれる人がいたらいいわけだし。