手仕事のぬくもり。カラフルなお針子道具「加賀のゆびぬき」のこと
2004年にはこうした活動が人々の目に止まり、銀座で作品展を開くまでになります。
「本当にたくさんの方がいらしてくださって。当時、札幌で仕事をしていたのですが、金沢に帰ってゆびぬきの仕事に就く決心をしました。すでに結婚していましたが、夫も金沢についてきてくれました」
今ではお母様とともに、手毬とゆびぬきを扱う〔加賀てまり毬屋〕を営みながら、加賀ゆびぬき作家として活動。広くゆびぬきを知ってほしいと、テレビや雑誌でも講師を務めるほか、後進の育成にも力を入れています。
難易度が高そう?でも意外とシンプルなんです
店内の壁には、大西さんが作ったゆびぬきがケースに収めて飾られています。一見すると、どれも複雑な文様で作るのがむずかしそう。でも、ブロックごとに区切られたこのゆびぬき、実は異なる絹糸を使って、配色を変えているだけなのだそう。
「うろこ模様や青海波に幾何学模様など、配色を変えるだけでまったく別の雰囲気になるのがまた面白いんです。簡単な2~4色のうろこ模様なら4~5時間で作ることができますよ」
〔加賀てまり毬屋〕では、予約制でゆびぬきの体験制作も実施。材料は店内にひと揃い用意があるので手ぶらで訪れてもOKということもあり、観光客の利用も多いとか。