もしもロボットが予想外の問題行動を起こしたら法的責任は誰が取る?
に対して、法的請求ができないかを考えると思います。これに対しては、施設運営者が、警備用ロボットを使っていたので、当然何らかの責任を負います。法律上は、民法上の不法行為に基づく損害賠償を請求することが考えられます。
しかし、この請求をするには、一つ問題があります。民法上の不法行為が成立するためには、当該施設運営する者に、故意または過失(うっかり)があることが必要です。
ロボットの場合は、まだまだ技術的に未完成が部分が多いです。当時の技術水準からして、誰にも予測できない原因不明の誤作動の場合がありえます。そうすると、当該施設運営者には、過失がないことになり、損害賠償を請求することができなくなってしまうのです。
ロボットのような最先端技術がゆえに、被害者は、損害賠償を請求できなくなる可能性があるという結論になります。
■ロボットメーカーに責任追及はできるのか?
また、お客さんは、そのようなロボットを作ったメーカーに対して、責任追及したいと考えられるかもしれません。ここで、考えられるのが、製造物責任法です。
この製造物責任法は、民法上の不法行為とは異なり、損害賠償が認められるのに、故意・過失の要件が必要ないとされています。