では、民事上は何らかの法的責任が発生するでしょうか?場合分けして、個別に見ていきましょう。
■1 吐いた上に処理をしないことは?
吐いたものをそのまま放っておくと、当然の如く鉄道会社の方が清掃などの処理をすることになります。
嘔吐行為は、通常はお酒の飲み過ぎによっておきるもので、いわゆる不注意によって清掃などをさせる手間を発生させることになりますので、本来は損害賠償請求の対象になります。
ただ、通常、吐くような人は、既に自分の嘔吐物を処理することなどできないでしょうし、鉄道会社もそのことを見越して清掃の大勢を整えているようですので、特に損害賠償請求をしないそうです。
■2 誰か(人・物)を汚した場合
理屈は同じで、不注意によって嘔吐し、それによって誰かを汚してしまうわけですから、それによってクリーニング代が発生したり、その物が使い物にならなくなったりするわけです。従って、それに掛かった費用は、損害賠償請求されることになります。
■3 車内清掃で遅延などした場合
車内清掃で遅延した時間にもよるでしょうけど、通常の嘔吐物程度であれば、最短での時間によって清掃が可能でしょうし、損害を発生させるほどの遅れがでるとも思えませんので、特に遅延させたことそのものについて損害賠償請求されることはないものと思います。