気に入らない兄弟と縁を切りたい! 法的に可能なのか弁護士が解説
この要件とは、相続が開始した場合に相続人となる者(推定相続人)が、被相続人に対して虐待をした場合、若しくは、被相続人に重大な侮辱を加えた場合、又は、推定相続人に著しい非行があった場合に、被相続人が家庭裁判所に請求することによって、当該推定相続人は相続人から排除されることになります(民法892条)。」
■遺言で相続させないとすることも可能
大達弁護士:「また、遺言で特定の相続人に対して相続させないという内容とすることも可能ですが、その場合には相続人の最低限の権利である遺留分を侵害しないように気を付けなければいけません。
例えば、子が親に対して日常的に暴力を振るっていた場合に、親が家庭裁判所に請求した場合には、その子は相続人から廃除されるので、事実上親子の縁を切ったものと同視することもできるでしょう。
ただし、廃除された場合であっても、その者に子がいる場合、すなわち、孫がいる場合などには、その孫に相続権は発生します(民法887条2項)。また、推定相続人から廃除されたとしても扶養義務(民法877条1項)は負い続けますので、やはり法律上は完全な縁切りは難しいでしょう。
なお、先に遺留分の話をしましたが、相続人のうち、兄弟に関しては遺留分はありませんので、遺言によって一切の財産を相続させないようにすることができます。