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この権利を行使すれば、管理費を滞納している者の区分所有権や建物に備え付けた動産を競売に出し、競売された代金から優先的に弁済を受けることができます。
他にも、区分所有権等の競売という制度があります。区分所有法59条1項では、『第57条第1項に規定する場合において、第6条第1項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。』と定められています。この方法によっても、管理費滞納者の区分所有権を競売することができます。
では、滞納管理者の区分所有権を競売する場合、先取特権の実行(A)と区分所有権等の競売(B)、どちらの方法がよいのでしょうか。
Bの方法は、『他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるとき』という条件を設定していますが、この『他の方法』には、区分所有法7条1項の先取特権の実行の方法も含まれています(法務省立法担当者解説)。