ベーシックインカムのデメリットとは?導入事例から見る制度の問題点をFPが解説
特に、大きな反対が起こりそうな3つのポイントを紹介します。
導入には税金の増税は避けられない
前の章でも紹介したように、ベーシックインカムの導入には大きな財源が必要となります。現在の税制では厳しいため、増税や税制改革は避けられないでしょう。消費税の10%増税が反対によって何度も延期されたことからもわかるように、日本では増税へのハードルは非常に高いです。
医療費などより大きい保障の扱い
ベーシックインカムが大きな社会保障となるため、ほかの社会保障は縮小されます。つまり、ベーシックインカムで賄えない費用は自己負担になるのです。
例えば、多額の医療費がかかった場合、現在は上限なく保障されます(高額療養費制度)。ベーシックインカム導入によって高額療養費制度がなくなった場合、医療費が払えないことで治療を諦める人が出てくるかもしれません。
ベーシックインカムでは賄えない負担への社会保障が薄くなるという課題を解決しなければならないのです。
ベーシックインカムの成功例がない
ご紹介したフィンランドやカナダ以外にもアメリカやケニアなどでベーシックインカム導入の実験は行われています。しかし、明確に成功したという事例は今のところありません。