ベーシックインカムのデメリットとは?導入事例から見る制度の問題点をFPが解説
導入事例から見る問題点への影響
フィンランドの導入事例では、報告チームより「雇用への影響は限定的だった」と発表されました。
カナダでもMINCOMEでは「住民の労働時間に大きな差は出なかった」、オンタリオ州の導入では「4分の3が仕事を継続し、辞めた半数もキャリアアップのために行動した」と、労働意欲の低下を示す結果は出ていません。
導入の年数が初めから限られていたことが結果に影響を与えていますが、労働意欲が低下するという仮説は実際には実証されていないのです。
財源が確保できない
ベーシックインカムの導入には多額の財源が必要となります。
例えば、月に10万円を日本国民約1.2億人に支給するとしましょう。年間で144兆円がベーシックインカムに必要となります。2020年度の日本の国家予算案の一般会計は102兆円。社会保障費は35兆円規模です。
現在の国家予算案を超える金額をベーシックインカムだけに投入しなければなりません。そのためには抜本的な税制改革によって税収を上げる必要があります。
導入事例から見る問題点への影響
カナダの2度の導入実験は政権交代によって途中終了していますが、理由はどちらも財源不足や適切な支出ではないという判断からです。