Gotoschoolと早稲田大学スポーツ科学学術院・広瀬統一教授が共同研究。運動介入による神経発達症児童の原始反射と社会性発達の変化を発表
同じく改善のみられた指対立(掌握反射)とは、手の母指と他4指とが向き合う動作です。指対立が困難だとつまんだり握ったりする行為が阻害され、不器用さにつながります。
また、社会性発達対人応答尺度は3か月間で低下傾向を示し、ADHD児童において有意に低下しました。
本研究の結果は、3ヶ月という期間であっても、運動介入が発達神経症児童、特にASD児童の原始反射の統合や、ADHD児童にみられる社会性発達対人応答などの特性の軽減に影響を与えることを示しています。後は1年以上の長期的変化の観察や、対象群の設定・原始反射の段階的評価基準の検討をすることによって、その詳細をいっそう明らかにしていきたいと考えています。
研究概要
■方法:医師による診断があるASD(15名)・ADHD(13名)8~12歳の男女児童が対象。
1~2回/週(平均1.4回)、1時間/回の運動プログラムを12週間実施。
原始反射残存度のテスト・SNSs(微細神経学的徴候テスト)・社会性発達対人応答尺度(対人行動、コミュニケーション、反復/情動行動などの症状を測定する検査。保護者が担当)を実施。
■結果:社会性発達対人応答尺度に関して、ASDの児童群の総得点は70点と中等度の重度を示し、12週後に改善は見られたが統計学的有意差はなかった。