長井佳代 著『便秘の神様』2022年5月19日刊行
未華子
いずれ起業を目指す英会話講師。恋に仕事に揺れる28歳。
里香
ベンチャー企業に勤めるプログラマー。彼氏と同棲中。
さくら
未華子の大学時代の先輩。エステサロン経営者。
アリサ
未華子の同僚。秘書課、社長秘書。
風花
多江の友人、二人の子どもを育てる専業主婦。
※以下、内容を本書より一部抜粋
「え?便秘にならないんですか?」と未華子。
「そう、自由な発想は肉体にも自由さを齎(もたら)すようなの。いわば、便秘は心の目詰まりね。だから体の目詰まりもなくなるのよ」と言う多江の言葉は長年便秘で悩み続けてきた未華子にとって大きな福音となった。
「ああ、そうか。正解がない。だからあんなに自由な発想なんだ。
わたしはおむすびといえば俵か三角と決まっていると思っていたのに、地図の形とか、いろんなのがあって……。これでいいんだって視野が広がった気がしました。こうするのが当たり前という概念が崩された感じで、今、頭と心がついていけてない感覚です。自由な発想で、それを表に表現できることがすごいというか羨ましいというか、うまく言えないんですけど……」
「ああ、それは、未華子さんの感性が本来生まれ持っていた正常な状態に戻ろうと動き始めている証拠。