田中圭、『わたしの宝物』“托卵される”夫の結末知らず…「しんどそう」な作品にこそやりがい【インタビュー】
と微調整を重ねた。
これまで演じてきた“嫌な人”と決定的に違うのは「実際に宏樹はものすごく美羽が好き」だということ。「会社でいろいろあって、家でひどい態度をとってしまう理由は好きすぎるがゆえの甘え。美羽にはぶつけやすいし、ぶつけちゃう。それでも許してくれるとわかっているから、どんどん甘えてしまう。美羽に対する甘えという感覚で演じました。今回の宏樹は“好きだから甘えちゃった”みたいなのが根底に残っていれば、家族が増えたときに、そこで元の宏樹に戻れるかな?と考えました」と役を構築していった。
演じる上では「声のトーンや感覚がわかるし、自分に近ければ近いほど楽だとは思います。
やりにくいと言うと少し難しいのですが、これでいいのかな?と思いました。自分にはない感覚のセリフやどうしたらもっと美羽が傷つくかなと考えながらお芝居をすることは、なかなかない。そういう意味で言うと、やっぱり自分とかけ離れてる役が演じやすいということはないですね」と難しさも感じつつ、目の動かし方までさじ加減に注力した。
神崎夫妻については「繊細な夫婦だな~」と客観視する田中だが、宏樹に共感できる点は「まったくないです(笑)」