私の適齢期。【てんてこ舞 in Brooklyn vol.6】
久しぶりの連載です。NYへ越してきてもうすぐ一年が経ちます。 歳を重ねるごとにあっという間感が強くなった42歳。ですがこの1年だけは違いました。長かった。やっとここまで来たというのが正直な気持ちです。 40代に入り、面白い様にやりたい仕事が舞い込み、やりたかった料理本も一年で2冊も出版し、一人になって5年で、大好きだった料理をやっと人前で「仕事」だと胸を張って言えるようになりました。部屋中がキッチンの様な我が家では撮影をしたり、連日の様にマイズキッチンを開催したり、週末には期間限定のレストランを銀座stockにてオープンし毎週テーマを決め、飽き性な自分のお尻を叩きいつもわくわくさせました。
料理イベントには毎回たくさんのお客様も料理人も来てくれて最高に楽しかった。600人のケータリングをアシスタントと狭い家のキッチンでやりあげた時のたまらない快感。年の半分は海外の市場へ行きまくり、食べ歩き、知らない料理、食材、調理道具、その異国の空気そのものを持ち帰り再現し振る舞ったり。 この会社と、この人と仕事がしたいと思えばその会社から、その人から仕事の話が来た。当然収入も自然と増えていき、この仕事をやりはじめた時はどうやって食べて行こうか、家賃は払えるのだろうか…不安な時もありましたが電車に乗らずに1時間毎日歩いて新宿まで行った事だってありました。