プラムで作る蒸留酒「スリヴォヴィツェ」にまつわる、あたたかい思い出【いろどりのチェコ vol.16】
レストランを出てバス停まで歩き始めたのだが、このまま真っ直ぐバス停まで歩いてしまうとバスが来るまで時間が余り過ぎるため、道を外れて村の住宅街を散歩してみることに。
というのも、この辺り、可愛い住宅ばかりなのだ。庭先の手作りデコレーションや壁のペイントなどなど。
そんな可愛い家々を見ながら歩き始めて間もなく、自宅の庭で木工作業をしているおじさんに出会った。
観光地でも何でも無い住宅街をアジア人が歩いているのだからさぞ怪しいだろうに、にこやかに話しかけてくれるおじさん。
「こんな所で何してるの?旅行?」
「いえいえ、私たちはチェコに住んでいて、そこのレストランでご飯を食べて、今はバス停へ向かっているところです」
そうすると、おじさんが「お酒、飲む?」と訊く。
この地域の特産であるプラムで作る蒸留酒「スリヴォヴィツェ」を自宅で作っているらしい。
私はアルコールに弱いのでレストランでは飲まなかったのだが、ここで断るのは野暮というもの。
少しなら大丈夫だろう。