2011年10月27日 11:38
監督が解説。謎に満ちた映画『ミッション:8ミニッツ』を解くカギは?
だから僕も特殊な設定を用いて『人間が果たすべき責任は一体何なのか?』を描きたかったんです」。
しかし、ほぼ狭い列車の中だけで起こる8分間を繰り返し描き続ける作業は困難を極めたそうだ。「8分間を何度も繰り返すので、視覚的に何らかの新鮮さを保ち続けなければなりません。ただし、映画の謎をすぐに明かすわけにはいかない。そのコントロールには苦労しました。また俳優たちもチャレンジが要求されました。ジェイクは時系列を追って謎を解き明かしていく役ですが、相手役のミシェル・モナハンは8分を“同じ状態”でスタートして、ジェイクの行動や出来事にあわせて演技を変えていかなければならないんです」。
監督が語る通り、本作では同じ8分を繰り返しながら少しずつ謎が明かされ、物語の始まりからは決して想像もつかないようなラストへとたどり着く。
そこに待っているのは単に“真犯人は誰か?”といった類ではない、深い人間ドラマと哲学的な主題だ。「この映画の結末はいろんな解釈ができますし、観客の間で議論を呼ぶと思います。でも僕の中では“たったひとつのエンディング”しかありえないと思っているので、そこいたるヒントを映画全編に散りばめました。